印象的で分かりやすい説明をモットーに、それぞれの御家族の意向に即した診療を提案、実践します。

ウサギの大腿骨骨折 ~創外固定法~

この子ウサギの写真、一見普通に見えますが、右足のあたりに何かついているのにお気づきですか?実は足の骨折の治療中なんです。

大腿骨骨折固定具

太ももの骨を大腿骨といいますが、ウサギの場合は犬猫に比べ、大腿骨骨折治療の難易度は高くなります。その理由は、
1 ウサギの後肢は力が強く、骨折部を不動化するには、強固な固定が必要になる。
2 足をまっすぐにして固定する包帯法は、ウサギにストレスを与えたり、伏せの姿勢がとれないことから、消化管機能を低下させる可能性がある。

そのため、ウサギで大腿骨の骨折を治療する場合、これらの問題をクリアする必要があります。

今回、当院で若齢ウサギの大腿骨骨折を、短いピンを使った創外固定と髄内ピンを用い治療した症例について報告します。ウサギの大腿骨骨折では、プレートを骨に固定する方法が多いと思いますが、今回は若齢のため、プレートは骨の成長に影響を与えてしまうこと、成長に伴いプレートの除去を行う必要があったこと、体重が軽く、包帯が大きくなると転倒してし起立できなくなってしまうことが予想されたため、プレート以外の方法を検討しました。

まず、骨の内腔に長いピンを挿入し、ずれた骨同士を元の位置に戻します。さらに骨折した骨が動かないよう、複数の短いピンを体表側から骨に挿入し、ピンが動かないよう、体の外側でピン同士を固定しました。通常なら足を伸ばして包帯をしたかったところですが、固定具で怪我をしないようカバーをする程度にとどめました。

先ほどの写真は、固定具を付けたまま、ほぼ日常と変わらない生活をしていた時に撮影したものです。

この方法で骨折は順調に治癒し、ピンを外した後も、異常はなく、現在は元気に過ごしています。

骨折の治療